【iOS9】広告ブロッカー、Adバスターの使い方とその性能・方針の評価

17日よりアプリ名を変更して配信されているコンテンツブロッカー、「Adバスター」(AppStoreでの表示は「Safari上の広告をブロックする -Adバスター-」)。

実際に使ってみたので、その基本的な使い方と、Adバスターの特色を紹介します。

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iOS9のAppStoreにてダウンロード(※)。執筆時点で120円ですが、値段は変わる可能性もありますので、請求時の金額をよく確認のうえダウンロードを開始するようにしてください。

なお、コンテンツブロッカー全般に言えることですが、使用できる機種は制限されています。例えばiPhoneであればiPhone 5s以降でないと使用することはできません(というか、ストアで購入前に止められるはず)。

ということで、筆者のiPhoneは未だに5のため使えませんが、iPad mini 3ではサポートされていたため、そちらで機能させることができました。

※筆者と開発元との関係は一切ありませんので、ダウンロードのためのリンクは貼っていません。あくまでもご自身の判断でダウンロードするということでお願いいたします。

設定方法

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ダウンロードしたら、Adバスターのアプリ本体ではなく、まずは設定を開きます。

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「safari」>「コンテンツブロッカー」と進み、

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「Adバスター」をONに。これで完了です。

使用方法

Safariを開いて、普通にWebを閲覧していればOKです。

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例えば今ご覧いただいているブログの広告(アドセンス)も…

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この通り、一切表示されなくなります。嬉しいやら(ユーザー目線)悲しいやら(管理者目線)。

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なお、ソースコードで言えば、線で囲った部分が一切表示されないようになっているということになります。

ちなみに、「広告」の文字は自前で挿入しているのに、それも消えているのは、広告と同階層にある要素(adクラスのdiv直下の要素)すべてを消すようになっているということでしょうか?

一時的に無効にする

Adバスターを常に有効にしておけばよいかというと、そうではありません。

Adバスターを有効にしていると、Webサイトの構造によっては、正常にコンテンツまで表示できなくなってしまうことがあります。意図的である場合と、そうではない場合はありますが。

そういう場合は、Safariのページ更新ボタンを長押しして…

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「コンテンツブロッカーなしで再読み込み」を選択。

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これで、Adバスターなどを使用していない場合と同様に読み込まれるようになります。こういう方法を覚えておくと、いちいち設定を開かずに済むため簡単です。

ちなみにこのブログは、すべての閲覧環境で差別なく快適さを提供することをモットーにしているため、広告をブロックしようがしなかろうが問題なくご覧いただけます。毎日読んでくれると…うれしい。

Webサイトを報告

広告をブロックしきれていないWebサイトを見つけた場合は、Adバスターのアプリを開いて…

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下の「連絡する」をタップ。

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メール編集画面が出てくるので、報告したいWebサイトのアドレスバーを長押ししてコピーし、メールにペーストすればよいと思います。あとは具体的に広告が表示される位置も明記すれば、相手の助けになるでしょう。

これで送信すれば適切に対処してくれるとは思いますが、対応の順序や時期などはもちろん私にはわかりませんのであしからず。

Adバスターは使えるのか

Adバスターの性能

一番気になるのは、Adバスターはどれほどの性能かということですよね。まずブロックできる広告の割合から調べてみます。

ブロックの精度

日本語のサイトを50個ほど回ってみましたが、広告ネットワークのうち8割はブロックされていました(※)。もちろん私の考えで回っているぶん偏りがあることも考慮しなければなりませんが、統計的に少なくとも7割はブロックできていると思っても差し支えないのではと思います。

※これは広告そのもののうち何個がブロックされるかということではなく、広告代理店のうちいくつがブロックされるか、という意味。

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ただ、D○Mのアレなゲームの広告がちらほら残っていたり(これは○MM自体が問題なのではなく、DM○がマイナーな広告代理店にまで広告を委託しているため起こる。)…

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また、低俗な内容ながらも一応ニュースを配信しており、クリックするとちゃんとその記事に飛ぶことができたところも大半がブロックされ、そしてなぜか一番広告臭いのが残っているという場合も……。

ま、少々粗削りであるように見えますが、一応実用上は問題ない程度かと思われます。先ほど紹介したサイトの報告機能を開発者が活用してくれるならば、今後さらにブロックできる広告は増加していくことでしょう。

通信データ量・速度の改善

これはこのAdバスターに限って言えることではありませんが、一応解説しておくと、画像を使用した広告のデータ量に対して、コンテンツがどれほどのデータ量であるかということによって、どの程度通信データ量(または速度)が改善されたかという評価は変わるものです。

例えばテキストがメインのニュースなどを主に読まれる方にとっては、画像のデータ量は下手すればそのコンテンツ1つ、またはそれ以上に匹敵する大きさであり、本来必要な通信よりはるかに無駄に使用しているということになります。しかし、画像を多く使用しているこのブログのようなサイトをよく閲覧される場合は、記事自体のデータ量も多くなっているため、広告のデータ量は相対的に見るとそうでもないということになります。

自分がどのようなコンテンツをよく使用するかということによって、広告ブロックによるデータ量改善の効果は違うように見えるということです。ですから、広告ブロッカーごとに評価する分野ではないでしょう。

マッチポンプにはならない方針

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Adバスターと同じような目的の「Crystal」というアプリは、最近評判を急激に落としました。

これは「ホワイトリスト」を導入することを宣言したためです。ホワイトリストとは、広告代理店がCrystalの開発者に金銭を支払うことにより、広告ブロックの対象から外してもらえるという仕組みです。

つまり、自分で放火(広告ブロック)しておきながら消火(ブロック解除)するのに金銭を要求する、という手法が非難されたのです。こういう手法をマッチポンプと言います。

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Adバスターは、このホワイトリスト導入を行うことはないと明確に宣言しています。AppStoreの説明に堂々と記載されています。

もちろん私は第三者ですし、確実にこれが正しいと決めることはできませんが、開発者としては、こういった発言を履行できるかどうかは信用に関わることですし、覆すとなれば相当な悪評がつきます。ですから、信用してもいいのではないでしょうか。

日本向けにカスタマイズ

またAdバスターは、他の多くの広告ブロッカーが海外製である中、国産です。するとどういうことがメリットかというと、

  • 日本向けの広告を把握しやすく、日本人の目に触れやすい広告を的確にブロックできる
  • 日本語でのサポート
  • (筆者は気にしないが…)より信用がおける

逆に言えば、海外が運営しているサイトの広告のブロック率はずっと悪いかもしれないということです。

私としては、情報が国内に全くないのでなければ英語のサイトですら見ることはないため、日本人としての実用上そんなに問題があることではないかとは思いますが、海外のサイトを頻繁に見るような使い方をするのであればあまり効果はないかもしれません。

今後のWebに期待が持てそう

というように、Adバスターはなかなか清々しいアプリです。グレーなこともせず、今のところはそこそこの能力を備えており、今後も強化されていくことかと思います。ここで、Adバスターをはじめとした広告ブロックが今後Webにどういう好影響を与えてほしいかってことをお話しさせてください。

まとめサイトなんか読んでいると、サムネをクリックしたらまとめのまとめに飛ばされて、また同じサイトに戻される、ってことあるじゃないですか。あればなぜそうするのかというと、理由の1つとしては、広告の表示回数を無駄に増やすため、ということが挙げられます。

これ以外にも広告をいかにクリックさせるか、ってことにはあの手この手があり、一部の人間がそんなことに奔走しているせいで、

  • 記事の質は落ちる。
  • 広告のイメージも落ちる。
  • 挙句の果てに、欲しい情報にすぐたどり着くことすらできない。

……と、残念なことだらけです。

少しでも広告を表示・クリックさせることを第一に考えるような人間をWebから淘汰することができれば良いと思いませんか?そのためには我々がその現状にNOを突きつけることです。どうやって? ──広告ブロックを利用すればいいだけです。


私をはじめとして、広告はあくまでも興味を持った人が押せばいいんだ、そんなのに構っているくらいなら少しでもいい記事書いてみんなに見せたろ、それでバカでかいものを作ることができれば結果は後からついてくるんだから、と頑張っている人もたくさんいるわけです。

もちろん私の収入だって広告ブロックによって減ってますよ。でもこれくらい、快適なWebのためには必要経費だったと思うことにしました。ブロックしようがしなかろうが、なんでもいいから読んでね!コメントしてね!私はただ書いたり、書いて反応が返ってくるのが楽しいだけなのです。

ですから、今回のこのiOS9の広告ブロック機能の提供によって、少しでも広告を悪用するようなサイトが減少し、必要な情報にすぐにアクセスできるWebを取り戻して、最終的に、真に良質なコンテンツを書ける人々が活躍できるWebになれば。そう願うばかりです。

終わりに

結論としては、方針もしっかり決められており、それなりに実用的でもあり、それに日本語でサポートしてもらえそうということから、なかなか評価できるアプリではないかと思います。

こういうアプリの存在によって今後Web自体がユーザの快適さを考えて作られて行くようになっていけば、それ以上望むことはないので、今後も使わせていただこうかと思った次第です。

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