私がiOS9にアップデートしてから早2週間というところですが、それだけ使ってみての感想は、やはり全体的にもっさりしすぎているという印象です。何故かといえば、OS由来のUIを表示するとき負荷が高すぎるのです。
マルチタスク化が進められている手前は、ある程度重くなる可能性があるのは十分承知の上ですが、さすがに酷すぎるので、ここに書きます。(iOS 9.0.1、iPad mini 3 にて検証)
なお、iOS9を褒める記事とこの記事のようにけなす記事での態度が違いすぎるように思われるかもしれませんが、それは極端な立場に立って記事を書いたほうが問題が明確化すると思っているからです。
つまり、iOS9のことが好きであると同時に嫌いでもあるということです。ここでは、嫌いであるという立場で書いています。
タスク一覧が重い
ホームボタンのダブルクリックで出る、この画面。無駄なタスクはこまめにここから切ることが、快適に使うための最も基本的かつ重要なことですが……まず、こんな表示方式は効率が悪くないですか?

確かに以前の表示(遠近感なく、ただ並べて表示)よりもそれぞれのアプリの表示する幅が狭くなり、見渡しやすいっちゃそうなんですが、そもそもそれがメリットになるほど多くのアプリをバックグラウンドに置かないですし、それよりもサムネイルの一部を地味に隠しているというデメリットのほうが大きい。
一応、視差効果を減らす(「設定」>「一般」>「アクセシビリティ」)と遠近感はなくなりますが…

やはりこのように一部を隠しているのは変わりませんので全体が見渡せるようにはしてくれませんし、あとせっかく視差効果を減らしたのにもかかわらず、もっと後ろのほうのボカシまで無効にするとかして、パワーを節約する手段が残されているようにも見えます。

しかも、以前よりタスクキル(それぞれの画面を上にスワイプ)がしにくくなりました。斜めにスワイプ(正確には、スワイプの速度ベクトルに少しでも横の成分が入るということ)してしまうと、画面スクロールが優先されてしまい、全然画面が上に飛んでくれません。
私としては非常に使いにくいです。パワー使うなら使うで、もっと操作性を向上させてほしいのですが、これではiOS8のほうが数段良いでしょう。
オーバーレイが重い
オーバーレイ…つまり、音量設定などのように、通常の画面より上に必ず表示されるOSのUIのことをここでは指していますが。
これもまあ重いです。iOS8以前はほとんど気にならなかったはずなのに、今これを各種アプリで行うと、少なくとも表示されている途中はほとんど必ずアプリのフレームレートが落ちます。
フレームレート
ゲームの動作は連続的なものでなく、画面上に表示している画像を1秒間に30~60回くらい切り替えることによって滑らかに動いているように見せます。しかしデバイスのほうに負荷がかかっていると、この切り替え回数が落ちてカクカクするように見えます。この切り替え回数がフレームレートです。
アプリによっては、その後もメモリが食われているのかなんだかは分かりませんが、これをトリガーにしてフレームレートが落ちっぱなしになることもあります。
音量を気にするかどうかは人によるかもしれませんが、私は遮音性が高いイヤホンをしたまま大きすぎる音を聴いていると耳が悪くなる感じがするため、聴いているもののマスターボリュームに合わせて頻繁に変更します。
例えば音ゲーやってるときとかでもそうなのですが、そのたびにフレームレートが落ちてしまうとなると、非常に不便です。
SNS連携が重い
Twitter、Facebook、Flickr、Vimeo の4つのSNSは、iOS自体と連携することができます。

特にTwitterは、複数のアカウントを同時に連携させておくと、Twitterのアプリ内からすぐにログイン中のアカウントを切り替えられるため、PC版よりもずっと便利です。

これがアカウント数に比例して重くなるのは当然なのですが、その割合が、iOS9から異常に大きくなってしまいました。アカウント50個(!?)を連携させたところ、Twitterでの切り替え時、その一覧を取得するのに1分弱もかかってしまいます。
以前は待ち時間はほぼなかったため、相当重くなっていることになります。ま、50個も持っているほうが悪いのですが……
終わりに
重くなった部分を紹介していますが、以前紹介したキーボード関連の動作のように、軽くなった部分もあります。
OSの開発というのは、どっかを引っ込めればどっかが飛び出てきてしまうようなものだと思っています。こんな大規模なソフトウェアに不具合などの過失が1つも無いなんてほうがおかしいと思っておいたほうがいいですが、頻繁に使う機能(タスク一覧のことです)の不具合やら無駄をせめて引っ込めておいていただきたいです。
何かこの記事に関連した質問、ご自身の動作報告、または改善案などがありましたら、ぜひぜひコメント欄をお使いください。