【考察】Twitter、お気に入りをハートマークに変更し名称も「いいね」に

日本時間4日0時過ぎ、何のアナウンスもなく、突如として、Twitterのお気に入りがハートマークに変化しました。いったい何の意味があるのでしょうか。

お気に入りが「いいね」に?

ことの概要

今までTwitterのお気に入りといえば「☆マーク」であり、英語では「Fav」、日本語では「ふぁぼ」と略称も定着していましたので、当然ながら永久にそのままの仕様だろう……そう思っていたのですが、今日突如変更されてしまいました

019

この通り、表示が「♡」になっています。しかも公式の名称が、今までの「お気に入り」や「favorite」から、「いいね」や「like」と変更されました。

なお、機能的には今までと一切の変更はありません。今までお気に入りしてきたツイートももちろん引き継がれます。

変更されたクライアント

twitter.com、iOS、Android、TweetDeck、Twitter for Windows 10、ウェブサイトに貼り付けたツイートです。

このように変更されているのが分かります。逆に変更されていないのはサードパーティ製(非公式とほぼ同義)アプリで、これらは勝手に画像や名称をあてることができるため、わざわざ公式の仕様に沿うとは思えません。

さて問題は、何故こんな変更を加える必要があるのか、ということ。

分かりやすさや表現しやすさの向上か

公式ソース:Hearts on Twitter | Twitter Blogs

上記のソースによれば、「分かりやすさ」や「感情の表現しやすさ」の向上だということです。いったいどういう意味なのでしょうか。

分かりやすさ

We want to make Twitter easier and more rewarding to use, and we know that at times the star could be confusing, especially to newcomers. You might like a lot of things, but not everything can be your favorite.

公式としてはTwitterは使いやすくて意義あるものにしたい反面、新規ユーザーに対しては、「☆」は混乱させ分かりにくいと思ったとのこと。

またツイートやそれに添付されるコンテンツを「好き」であると思うことは多いかもしれないが、「お気に入り」や「大好き」だとあらゆるものに対して思うわけではない、とも言っています。

確かに、「お気に入り」となると大それた感がしないでもありません。新しく使うユーザーが「お気に入り」と聞いて、まず「ツイートを保存しておく機能」というごく単純なことであると思い浮かべることはできないかもしれません。

それが「好き」というごく単純な感情であれば非常に理解しやすいということでしょう。

感情の表現しやすさ

The heart, in contrast, is a universal symbol that resonates across languages, cultures, and time zones. The heart is more expressive, enabling you to convey a range of emotions and easily connect with people. And in our tests, we found that people loved it.

ハートというのは、言語や文化、時間をも超えて響きわたる世界的なシンボルだといいます。そして幅広い感情をもっと表現しやすく、人々は簡単につながれるとも言います。

公式のツイートに添付された動画によると、「笑い」「称賛」「応援」「愛」など様々な感情をハートで表現することが期待されているのだと分かります。

また、「テストではユーザーはハートを良いと思っていることが分かった」とも言っていますが、テストとはおそらく、1か月前ほどまでランダムなアカウントに対して(?)行われていたもののことでしょう。

020

私の持っているアカウントでも、上記の通りこの「テスト」が行われていました(ちなみにツイート内容はウソ)。今と違って周りに円がデザインされており、名称は「お気に入り」のままでしたが、それらが今回の正式導入により変更されたということでしょう。

デメリット

既に定着したものとの整合性がない

先にも書きましたが、既に「お気に入り」「ふぁぼ」「Fav」などの言葉が定着しています。確かに新規ユーザーにとっては分かりやすい変更だと思うのですが、これらの言葉とハートマークになっている事実は一致しないので、見ていて違和感を感じます。

これらの言葉は今後も変わることはないと思いますし……。それとも新しい用語を作ろうという動きがくるのでしょうか。そういうタグがそのうちトレンドに上がってきそうではあります。

ハートだと余計にネガティブな投稿につけにくい

星だとまだハートほどではなかったものの、非常にネガティブな投稿につけることが憚られます

ポジティブだろうとネガティブだろうと、ツイートを保存しておくことができる機能として使うことが公式によって許されている以上は、そこを気兼ねなくできるようにしておくのが義務じゃないのでしょうか。

ハートや「いいね」だと、ポジティブな内容だけにつけなければいけないという意識が露骨に芽生えてきます。

ツイートを保存する目的で使いにくい

あくまでも日本語の感覚で、ですが、「お気に入り」はあくまでも自分自身がどう思うか、という自分自身で完結する感情ですが、「いいね」は相手に対して自分の感情を明らかに伝えているということになります。

すると、「ツイートを保存する」という自分の勝手な意思に基づく行動が非常にやりずらくなります。「いいね」は相手を巻き込んでいる感が非常に強い言葉ですからね。

まあ、既存ユーザーは「いいね」であってもこれまでの「お気に入り」と同等に考えるような思考回路が働いて、これが当てはまらないようになるかもしれませんが、それだと新規ユーザーにばかり不利益が出てしまい、「新規ユーザーが分かりやすいように」という当初の目的に対しては本末転倒です。

人々の声

どなたかのアンケート。この記事を書いた時点ではまだ確定していませんが、見る限り、☆のままがいいという投票は9割を超えています

賛成意見

  • great! (いいね!)
  • So it actually is more appropriate! Well played, @twitter. (適切だよ!よくやった)

反対意見

  • You Facebooked my Twitter? (Facebook化しやがったのか?)
  • nobody likes it (誰も気に入らないよ)
  • but not everything we “favorite” we “like”. Sometimes it’s just like bookmark-ing a tweet. (「お気に入り」のもの全部が「好き」ってわけじゃないよ。(お気に入りは)ツイートのブックマークのようなもの、ってときもあるんだ)
  • No. No way. Absolutely not. (あ、ありえないよ。絶対に)
  • The ☆ used to be quite useful, indeed. And the purpose of the ☆ was never meant to be a “like” (☆はかなり使えるんだよ、本当に。それに☆の用途は絶対に「いいね」を意味するんじゃないって)
  • 元に戻せ

終わりに

Twitterは今非常に苦しい状況で、新規ユーザーのために分かりやすい表記にしようという意図は一応酌めるのですが、新規ユーザーが増えないということは逆に言えば既存のユーザーが多くいるということであり、それら定着したユーザー向けに何か新たなサービスを考えておくほうが先決なのではないかと思います。

Twitterに登録して、ただニュースや有名人のツイートだけを見るという使い方もあるのだと理解している人が新規ユーザーにどれほどいるでしょうか?新規ユーザーはまず「自分がツイートする」ということに念頭を置くはずです。となれば、他人のツイートに干渉する行為である「お気に入り」……いや、「いいね」でしたね……は、新規ユーザーにとってあまり重要なことではないのではないでしょうか。

なんというか、非常に古い仕様をこんなタイミングで新しくすることにあまり意義があるように思えません。事実、上で示した通り、賛成意見を見つけるのすら非常に困難でした。確かに記事中で挙げた通りメリットが無いわけではないのですが、総合的に見ると改悪寄りなのではないかと疑問を持たざるを得ない、そんな変更でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。