烏丸です。遠い昔に書いた記事に未だにアクセスされ続けるのが恥ずかしいので、書き直すことにしました。
さて、ネット上にあるIQテストってやったことありますか?このブログにたどり着かれている方は、何かIQテストを探そうとしているのかもしれません。
残念なことに、正確なIQテストはネット上にはそうそうないです。お世辞IQを見せてくるテストばかりです。
なんでそう言い切れるのか、ご説明します。
目次
IQってそもそも何なの?
Wikipedia先生に聞いてみましょう。
知能指数(IQ)とは、数字であらわした知能検査の結果の表示方式のひとつである。高いほど知能が高いことを、低いほど知能が低いことをあらわす。
– https://ja.wikipedia.org/wiki/知能指数
ここは周知の事実だと思います。
しかしIQがどのように算出されるのかは詳しくご存じない方が多いのではないでしょうか。
いちいち計算でやると統計学の話になってしまうので、図を見るだけでざっくりと分かるように解説します。
IQは正規分布に従う
IQを横軸にとって、そのIQを持つ人たちの人数を縦軸にとると、次に示すようなグラフになります。
なりますというか、こういうグラフが完成するようにみんなに適切にIQを割り当てましょう、それができるIQテストを開発しましょうね、という理想論だといったほうが正しいのですが。

左右対称できれいなグラフですね。これを正規分布のグラフといいます。
注目すべきなのは真ん中です。IQ100の人数が一番多くなっていますね。
左右対称なので、IQ100の人が平均の知能指数を持っており、全人口に対して一番多く存在するというわけです。
IQ100に近い人もそれなりに多いですが、離れるにつれてどんどん減っていきます。
30離れて、IQ70以下、またはIQ130以上の人はそれぞれ全人口に対してたったの2.5%しか存在しません。
ちなみにIQ132(テストの種類によって数値は若干変わります)以上になると高IQ団体「MENSA」に入ることができます。ここで2%切るかどうかでしょうか。
IQは年齢別に算出する
もうひとつ知っておいてほしいのが、IQは年齢別に算出するということ。
そりゃそうですよね。もし同じテストを子どもと大人がやって、その結果を混ぜて計算してしまったら子どもが不利になるに決まっています。
同じような年齢の人同士の結果を比較してIQを算出しなければいけません。
例えば子どもたちの平均点が30点、大人たちの平均点が60点、とそれぞれ計算するわけです。
すると、30点を出した子どもと60点を出した大人はどちらもIQ100になります。平均がIQ100だというのを先ほど書いたのでわかると思います。
ですのでIQテストでは被験者の年齢がわからないとお話になりません。どの年齢層の点数と比べればいいのか分かりませんから当たり前ですね。
一度テストしてみる
さて、IQについて少しは知識が増えたのではないでしょうか。
ここで、ネット上でできるIQテストの中から1つ選んでやってみることにします。
激ムズ!! 2018年IQテスト
この記事をお読みの皆さんも、やりながら何かおかしいところがないか考えてみると面白いかと。
結果

ネ申
まさかの神判定、IQ230が出てしまいました。
もうこの時点で突っ込みたい衝動が抑えきれないのですが、冷静になって解説していきます。
おかしいところ
IQの算出方法が謎
- 平均点をIQ100とする
- IQ100から遠ざかるほど人数は減る
という風に説明したはずですが、このテストで出てくるIQは全くこれに当てはまってません。
まずIQ230という数値は、都合よく(IQが高く出る計算方法で)解釈したとしても、2000万人に1人のIQとなります(参考)。
このテストではIQ230は全問正解すると出るようですが、たったの15問しかない中で15問正解できる人が2000万人に1人しかいないわけないですよね。

ちなみにIQ230というのはココです。何%いるんだろうか……。
あと、Twitterを見るとこのテスト結果を投稿している人が結構いますが、みんなIQ150~200あたりです。
しかし、みんながIQ150になるというのは明らかにおかしいですよね。平均はIQ100だって言ってるじゃん!
このテストで高い得点を出す人が増えれば増えるほど、同じ得点でもIQは下がっていかなければならないはずです。
しかしこのテストは、新たにテストした人の成績を統計に加えないので、いつまで経っても同じ得点に対して同じIQが出続けてしまいます。
……というか薄々気づいてると思いますが、たぶんこのテストは最初から15問中の正解数に応じてあらかじめ決められた「IQ」を表示するだけで、IQに関する計算なんて何一つやってないです。
もうこの時点で終わりなのですが、他にも突っ込みどころが色々あるのでもれなく突っ込んでいきましょう。
特に年齢確認などがない
説明した通り、正しくIQを算出するには同年代と比べるために年齢がわからないといけません。
でもこのテストで別に年齢とか聞かれませんでしたよね。そういうことです。
時間制限がない
同じテストで同じ点数取った2人がいたとしても、時間のかけ方が違えばそれだけ頭の回転は違うし、与えるべきIQも異なるはず。
でもこのテストは好きなだけ時間をかけられます。いくらなんでも、無限に時間をかければ誰だって解けると思う。
知識が必要な問題を出してはいけない
IQテストはあくまでも知能指数を測るためのものです。
知能とは、ここでは与えられたものだけを用いて論理的に結果を導き出す能力のことです。
ですから、IQテストでは与えられた情報だけで解けない問題を出してはいけません。

例えばこの問題ですが、私はすぐに素数を並べたものであることが分かって即答できてしまいました。
しかし、数学を習っていなかったり苦手だったりする人は解けないかもしれません。
この問題を、素数という概念を知らない状態から、1から論理的思考だけを駆使して「これは約数を持たない数字が並んでいるから答えは23だ!」と答えろと要求されていると考えるのは無理があります。
どう考えても出題者側が「素数だってことに気づくかな?」って意図で出題しているわけです。
でもそれは、回答者の知識があるかどうかが問題になってしまっているのでIQテストの問題として失格です。
というわけで、このテストに限って言えば結果の信憑性はないということが分かりましたね。
今まで書いてきたことをもとにすれば、読者の皆さんで判断できると思うのであえて他のテストのことは調べません(丸投げ)。
まとめ
一応もう一度貼っておきますが、
ということで、どうぞよろしくお願いいたします。
新しく見つけたIQテストは信じられるものなのかどうか気になったら、この記事を読んで頂けると判断できるのではないでしょうか。
ややこしい話にお付き合いいただき、ありがとうございました!
ですよね!
IQ160とか、私に出せるワケないですもん 笑
娯楽やちょっとしたゲームって感覚かな?
IQ高いと孤高の存在になってしまうらしいし、。
普通が一番!