今回ご紹介するのは東方Projectの二次創作ゲーム、Touhou Luna Nights。
なんと2018年にSteamでリリースされた全てのゲームの中で、レビュー評価ランキング11位を獲得した知られざる名作なんです!

って、これはめーさくだろ!!(激寒ギャグ)
こほん。
2018年にSteamで出たゲームは9,175本もあります[情報源]。
その中で11番目にユーザーの満足度が高いというのは並大抵のことではないです。ただしこのランキングは有志によるもので、Steamの公式が出してるものじゃないですが。
しかも、東方ファンからの評価が高いだけじゃないのです。レビューを覗いてみると東方についてあまり詳しくない人からも圧倒的な高評価を得ているのがわかるはず。
なぜそれほどまでに評価されるのか?早期アクセス当初からずっとこのゲームを追い続けてきた私が、その魅力を余すところなく伝えるぞっ!!
目次
どんなゲームか?
ストーリー
紅魔館のメイドである十六夜咲夜(いざよい さくや)は突如、幻想郷とは似て非なる世界で目を覚まします。

そこへ彼女の主人であるレミリアの声が聞こえてきて……




※ゲームとは一部表現が異なります。
要するに、この世界は自分のものであること、咲夜さんは数々の試練を乗り越えて自分の元までたどり着かなければならないことを知らされるんです。

果たしてレミリアの目的とは一体何なのでしょうか……?
その真相を知るために、咲夜さんは自身の時間を操る程度の能力を駆使しながら、広大な虚構の紅魔館を冒険することになります。
メトロイドヴァニア
そう、実に広大なステージが用意されていて、色々な部屋に行きながらパワーアップアイテムを見つけたり、強敵を倒したりして先に進めるようになって、やがてはボスのもとにたどり着く、って感じのゲームです。

こういうのをメトロイドヴァニアと言うらしいですね。
- メトロイド
- キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラの海外版名称)
の名前を組み合わせたゲームジャンルの名前。
これらのゲームの名前を聞いてビビっとくる人は買いだと思いますよ。
次で詳しく説明するのですが、メトロイドヴァニア本来の楽しさを操作性の完成度との相乗効果でググっと引き出したところが、この作品が特に優れている点なんです。
すごいところ
多彩なアクションとそれを活かせる敵やステージギミック

とにかくアクションが多彩で爽快感があります。そのどれもが咲夜さんの原作での魅力をフィーチャーしたものになっており、咲夜さん好きならたまらないことこの上なし。
ただ、色々なアクションができても、もしそれが試せるような場所がなければ意味がないですよね。

しかしこのゲームはステージ構成が本当によく練られていて、様々なアクションを駆使してギミックを突破したり敵を倒したりしながら進んでいくことが自然に要求されるようになっています。
そしてそれを単調に感じにくいことからも、レベルデザインのバランス感覚がいかに秀逸かが分かります。詳しく見ていきましょう。
ナイフのアクション

咲夜さんの代名詞でもあるナイフ投げ。
横、上、さらに空中で斜め下へと投げ分けることができるのですが、どの敵にどれが有効なのか色々試す楽しさがあります。

通常の敵は横方向に投げて倒すことになると思います。

しかし突進してくるような敵だと、横に投げていると倒しきれずにダメージを受けてしまうかも。
こういう時は、ジャンプして回避しつつ斜めに投げるのが正解。って感じで場合ごとに適切なアクションを見つけていくのが面白いんです。
さらに、ナイフは通常の攻撃だけでなく、ステージギミックの突破にも使います。

特別なナイフを入手すると咲夜さんのアクションが増えて、通れるようになる場所が増えるので、行動範囲が広がるんですね。

このように、最初は通れなかった場所が、どういうアクションで通れるようになるのか考える楽しみもあります。
時間を操る程度の能力

咲夜さんといえば忘れちゃならないのが時間を操る程度の能力。
しかしアクションゲームで時間を止められるなんて、ゲームバランスが大丈夫なの?と心配になるかもしれません。
でもここの調整も本当に上手いんです。




このゲームでは終始、彼女の能力はレミリアによって制限されているということなので……

ゲーム開始当初は時の流れを遅くする「スネイル」のみ使用可能。

ゲームを進めると、ある出来事によって時間を完全に止めることができるようになります。
でも止めている時間には制限があって、いつまでも止めていられるわけじゃないんです。

しかも、時間を止めれば必ず自分にとって良い状況になるとは限りません。
たとえば時間停止中は水が固まってしまうので、滝が壁と化して邪魔になったり、そもそも水中で使うと固まって動けなくなっちゃったり。


というわけで、時間停止にいろいろ足かせがある中で、いかにタイミングがいいところで使うのかが攻略のカギになるわけです。

さらに、ギミックなどを避けるためには時間停止じゃなくてスネイルが必要なこともあるので、使い分けをすることも要求される場合があります。
例えば高速で回る刃は、時間を止めちゃ通り抜けられないですよね。時間を遅くしている最中に通り抜けなきゃだめです。
序盤はラクなのですが、終盤になるにつれてボスも手ごわくなってきたりするので、以上のようにタイミングと使い分けが非常に重要なポイントになります。
後述のグレイズも相まって、駆け引きとして非常に優れた要素ですし、よくここまで時間操作をゲームシステムに昇華させたなぁと感心するばかりです。
グレイズ
東方Projectの原作に欠かせない要素といえば「グレイズ」。
敵弾にカスるとちょっとプラスになるやつ(効果は作品によって異なる)です。

このTouhou Luna Nightsでも、グレイズのシステムを取り入れています。時間停止中以外に敵や敵弾にカスると、HPをはじめとしたステータスを大きく回復できます。
これを「青グレイズ」といい、戦闘中にHPを回復するほぼ唯一の手段となっています。

一方時間停止中には「赤グレイズ」を得られます。
時間を止めているので簡単にカスれますが、こちらはHPを回復することはできず、MPやTIME(時間停止の制限時間)を少し回復するのみ。
このように2種類のグレイズがあることによって、
- 時間停止しながら慎重にプレイ、HPは回復しづらいがダメージを受けなければOK
- 時間停止をあまり使わず比較的強引にプレイ、ダメージは受けやすいが青グレイズしやすい
の大きく分けて2パターンの戦い方が考えられますよね。
またボス戦等で明らかに時間を止めたほうがいい場面というのも登場しますので、どちらの戦い方が好ましいのかというのは場面によって色々変わります。

以上のように、「ナイフ投げ」「時間操作」「グレイズ」、他にもMP大量消費で使える強力な「スキル」といった、多彩に用意されたアクションがあります。
それら全てを駆使することによって、敵やステージギミックなどによって作り出される様々な状況を突破することができます。

初見では強大に見える敵もいるかもしれません。
実際に、私もお嬢様に挑んだ時は瞬殺されてしまいました。
でも、使うアクションを厳選していくことによってとても楽に倒せるようになります。
初めは難易度が高いように見えても実は軽快にこなすことができる……そういう体験をさせてくれるこのゲームバランスは素晴らしくよく練られたものであり、感動すら覚えます。
ちなみに、ゲーム開始当初はできるアクションはあまり多くないので、操作に戸惑ったりする心配はありません。ゲームを進めると徐々に要求されることが増えてくる感じなので。
ドット絵がめちゃくちゃ凝ってる
さて、ゲームシステム以外にも目を向けてみましょう。

既にたくさんの画像をお見せしていますが、改めてよく見てみればその美しさに目を見張るはずです。

ゲームに直接関係ないような背景でも途方もなく凝っています。この裏の暗いとこにある歯車とかも全部動いてるとか気が遠くなっちゃうよ。
こういった見落としがちな部分でも抜かりないことが、ゲーム全体の世界観を深めるのに一役買っているのでしょう。
#TouhouLunaNights
パチュリーさんのドット絵アニメーション
眼鏡を外す仕草にこだわっております。今回のアプデでも誰かが何かを外す…そんなアニメーションにこだわってみました! pic.twitter.com/tn8jCe5oH6— ladybug (@ladybug_happy6) 2019年2月23日
もちろんキャラクターの描写もすごい。イベントでたった一度しか使われないようなモーションも丁寧に描き出しています。すごくないですか!?

……みえ。他にもぱんつが見えるキャラがいるので探してみよう!
BGMにもサプライズあり
楽曲はもちろん東方アレンジですが、それぞれ原曲寄りともいえる構成で懐かしさを感じるような仕上がり。

特に私が一番好きな「『亡き王女の為のセプテット』のサビ後」がアレンジ曲だとカットされがちなのですがちゃんと入ってて嬉しい。
まあ、言ってしまえば全体的に無難な感じといえばそうなのですが、ゲームのクライマックスに、楽曲に関するサプライズがなんかあるので楽しみにしてほしいです。
原作愛が感じられる
東方二次創作をする人は、すべからく原作愛を持っているもの。この作品ももちろん例外ではなく、

どこかで聞いたことがあるセリフだったり……

原作設定を覚えていればなんとなく意味が分かる言葉だったり……
なんだか見たことがある形の弾幕だったり……

そのような特別な点をピックアップしなかったとしても、各キャラクターは前述のドット絵の丁寧さも相まって、非常に生き生きと描かれていますよ。
原作ではないにもかかわらず、東方Projectの魅力をそのまま伝えることができている作品です。(独自解釈がいけないとは言ってないけど)
もし原作をよく知らなくても、この作品のキャラクターや世界観に惹かれるものがあれば、それはもう東方好きであるといってもいいくらい。もちろん本当に好きになったら原作に触れてみるのもまた一興です。
まとめ


- 東方が好き
- メトロイドヴァニアが好き
- アクションゲームが好き
- ドット絵が好き




本当のところを言うと、私がこのゲームをプレイしていただきたい理由は素晴らしい完成度に見合うだけのセールスを記録してほしいと思っているからです。
2月26日に正式版がリリースされたのでこの記事を書いてるわけですが、あともう1度だけEXTRAステージとボスラッシュが追加されるアップデートがあることを除いてはもうこのゲームは完結してしまいます。
早期アクセスから半年間追い続けてきて、なんだか寂しい……
だから次回作にも期待できるようにガッツリ売れてほしいなぁという気持ち。
※注:いかにもなこのボタンを押して購入しても私には一銭も入りません。
実況中
実はこのゲームを生声実況しています。
実況初挑戦でなかなか拙いかと思いますが、よろしければぜひご覧ください。
実況をご覧いただくだけでも楽しめると思いますが、興味を持ったら是非お手に取ってみてください。
それではー!