リズムを刻んでゴールを目指せ「ダンシングライン」

遊び方

「ライン」が自機となっており、これを操作して壁にぶつかったり下に落ちたりしないようにしながらゴールを目指すというもの。

操作するといっても、タップして逆方向に向かうようにするのみというシンプルなものです。ラインは自動的に進むので、壁にぶつかりそうになったら方向転換していけばいいだけ。

ただ、この方向転換のタイミングにはヒントが用意されています。それこそが、流れている音楽。このメロディに合わせてタップすることによって、狭い道でもギリギリ回避して進んでいくことが可能。

1ステージは曲が終わるまでのため、2分程度と長めです。そのうえで1回でもミスするとアウトなのでシビアではありますが、一応1ステージに3個もチェックポイントが用意されており、通過したところから基本的に何度でもリトライが可能なため、どうしてもクリアできないということはなさそう。

ステージは現在のところ6つから選ぶことができ、それぞれによってモチーフがあって、障害物になるグラフィックも異なるというところがなかなか面白い部分。

もちろん、ステージが進むほど難しさは上昇していく(操作難度というよりも初見殺し的意味合いのほうが多いですが……後述。)ので、どこまでクリアできるか試してみるとよいと思います。

評価点

音に合わせるということで、要は音ゲーといってもいいジャンルなのですが、その性質をビジュアルやゲームシステムへ落とし込む方法がなかなか秀逸なものになっています。

例えば、道の幅が判定のシビアさ暗に表しています。幅が狭くなるほど、タップするタイミングのズレを許容してもらえず壁にぶつかりやすくなるということですからね。

他にも、分かれ道によって難易度が選択できることがあります。左に行くとタップ1回で済みますが、右に行くとたくさんタップしなければならない代わりに宝石(収集要素)が手に入る、といった感じに。

このように、音ゲーのシステムをちゃんとビジュアル内に溶け込ませることができている、というのがかなり秀逸です。

なぜこれがいいのかというと、いちいち説明などしなくても見ればわかるようになっているからです。判定がどれくらい難しいのかとか、難易度が任意に選択できるとか、いちいち考えなくてもいいようになっていて、それがうまくできているということに感心したというわけ。

問題点

以上のように内容は高く評価できるものの、このゲームには無視できない大きな問題点が2つあります。これらは共通して、このジャンルの「1プレイ2分程度しかかからず気軽に遊べる」というメリットを無駄にするようなものであり、わりと残念。

初見殺しが過ぎる

全体的に初見殺しが多く、理不尽だと感じられてしまう場面が多いです。

わずかに先に障害物が置かれていく、または障害物がどかされていくことによって道ができていくという場面がかなり多いのですが、それによって完成した道に対して0.5秒程度で反応しなければならない、という程度の反射神経が求められることになります。

これは普通の音ゲーに慣れていても難しいと感じるレベル。しかも音ゲーのノーツは基本的に同じ形をしているため、どんなに難しかろうが一定の感覚でプレイできますが、この手のゲームの場合、いわば道の形は「俺ルール」で決めてしまうことができるため、そうはいかない。

ほぼ初見クリアは無理と言って差し支えないと思います。もちろん死んで覚えろといえばそれまでですが、一応それを狙ったゲーム(極端に言えばI Wanna Be the Guy系の)でもない限りは理不尽であると思われやすく、あまりよくありません。

しかもピンポイントでの初見殺しも多く、最初のステージ「ピアノ」から道が途切れており、ラインが自動的にジャンプするという仕掛けがあります。初見だと当然道がないことにビビり、余計にタップしてしまって失敗というのがオチ。そもそもジャンプするとか聞いてねえ!

開発者からすれば繰り返しプレイすることによって、簡単すぎないかと不安になってしまい余計に難易度を上げてしまうということがよくあるようなのですが、開発担当以外による評価がちゃんと機能していればこんなことにはならないはずであり、腑に落ちないところがあります。

課金体系が内容に見合っていない

1プレイにつき「キューブ」というものを1個消費します。いわゆるスタミナで、キューブは2分で1個回復します。

しかしこれ、課金しても無限に使えるようになるわけではありません。キューブに関しては50個購入するか、24時間無制限になるかというメニューしかないので、フルバージョンを購入すれば好きなだけ遊べる、といういわゆる「買い切り」ではありません

しかし前述のとおり現在ステージは6つしかなく、このボリュームの少なさとシンプルなゲーム内容に対しては適当とは言い難いところがあります。

しかも、これに加えてチェックポイントからのやり直し時、10回に1回くらいは動画を視聴させられます。これがキャンセルできず、30秒くらい見なければならないものなのも厄介。こういう無料コンテンツの動画視聴だと、30秒見る必要があるのは課金アイテムが手に入る場合というのが相場といったところで、欲張りすぎという感じも。

この動画も課金で除去することはできますが、これが600円。……600円で買い切りにしても妥当か少し高い程度の内容なのに、遊び続けるためにはさらにキューブを購入し続ける必要があって、正直納得いかない。

総評

アイデアは高く評価できる反面、レベルデザインの作り込みの甘さがあり、課金体系については欲が出すぎているせいで、気軽に遊ぶことができなくなってしまっています。

見た目は「クロッシーロード」のようにカジュアルである反面、内容は万人向けではないという矛盾が生まれていることになり、かなり残念という気がしてしまいます。

もちろんダウンロードは無料ですし、グラフィックのクオリティとシンプルな操作性は確かでゲーム性はしっかりしていると言えるため、一度試してみて判断していただければいいかなという感じでしょうか。

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